地球の気温が一五度に保たれている理由

地球は、太陽系のなかでただ一つ、生命をもつ惑星です。全宇宙でも、地球のほかに、美しい自然がつくりだされ、生物が生きている天体は存在しないのではないでしょうか。このような環境がっくられているのは、地球をおおっている人気のおかけで、地表気温が平均してで五度に保たれているからです。もし地球のまわりに人気が存在しなかったとすれば、地表の気温は零下。八度にまで下がってしまいます。それは永の匹界で、生物が生きっづけることはできないでしょう。

地球は、太陽からエネルギーをうけますが、同じだけのエネルギーを宇宙空間に放出しています。ところが、人気がちょうど温室のような役割をはたしていて、太陽エネルギーの一部が地表をあたためる作用をもつようになっています。これを温室効果とよんでいます。地球温暖化を考えるために、この、人気の温室効果について理解しておくことが必要となります。

地球をおおっている大気は、一〇〇〇キロメートルの厚さをもっていて、その四分の三が高さ一〇キロメートルまでのところにあります。地上と同じ密度に圧縮すれば、大体八キロメートルの厚さになります。大気の主成分は水分を取り除くと、窒素(七八%)、酸素(二一%)の二つの化学物質だということは皆さんもよく知っていることと思います。じつは大気中にはこのほかにもいろいろな種類の化学物質が含まれていますが、ごくわずかしか存在しないので、微量気体とよばれることもあります。

このなかで、温室効果を考えるさいに重要なのは、二酸化炭素です。二酸化炭素の化学式は、ふつう炭酸ガスといわれている気体です。清涼飲料水やビールのなかに入っていて、泡となって出てくるのが、この二酸化炭素です。二酸化炭素は、大気中に三五〇ppm程度しか含まれていない微量気体ですが、地球温暖化の現象で、大きな役割をはたします。二酸化炭素の濃度をあらわすのにppmという単位を用います。一ppmというのは、大気中の分子一〇〇万個のうち、二酸化炭素の分子が一個含まれていることを意味します。ですから大気中の二酸化炭素が三五〇ppmというのは三五〇ppmの濃度、つまり大気の分子一〇〇万個のなかに二酸化炭素の分子が三五〇個含まれているというわけです。

大気中の二酸化炭素を重さであらわすこともあります。このとき、二酸化炭素のなかに含まれている炭素の重さではかるので、三五〇ppmの二酸化炭素の重さは約七五〇〇億トンになります。太陽から放射されているエネルギーはすべて、電磁波のかたちで地球に到達します。電磁波は、その波長の長さによって、さまざまな名前がついています。いちばん波長の長い電磁波はふつう電波といわれているものです。電磁波は、波長の長い順に、赤外線、可視光線、紫外線、X線、7線、宇宙線となっています。電磁波の波長の一覧図をかかげておきましょう。