怠慢のすすめ

先述の近代的研究方法に慣れた人々のもとに、もしローレンツの論文が匿名で提出されたら、「もっと結果を簡潔に図や表を使ってまとめ、考察も直接事実から引ぎ出していない部分は削除するように」との意見書がついて返されてしまうように思われる。したがっ…

対日関係改善に挑戦

中国が実験に踏み切ったのは、米国が日本と共同で開発しているミサイル防衛(MD)で、自国のミサイルが役立たなくなるのに恐怖を感じたのが原因との見方もある。ミサイル攻撃をいち早く察知し撃墜するMDは、その軌道を予測するため、宇宙に偵察衛星を重…

沖縄県民と同様の感受性をもつ

それはともかく、なぜ私が深夜の市湯内を彷徨うのを趣味にしているかといえば、公設市湯内から開南に抜けようとしていたときのことだ。とうに午前零時をまわっていた。こんな時刻に月明かりさえとどかぬ市場内を歩いている者など皆無である。恰好いいことを…

最初のサミットは石油危機がテーマ

折しも、米国では○八年三月に起きた投資銀行、ペアー・スターンズの経営危機に続き、政府支援機関(GSE)と呼ばれる住宅金融公社が深刻な経営不安に直面しつつあった。七月八日午前、G8首脳は世界経済の討議に二時間を費やした。会議後の政府関係者によ…

スワップ取引の特徴

一方、キャップの買いは金利上昇により(変動金利−キャップレート)×元本だけ利益が発生します。したがって、キャップ付き変動金利ローンの借り手は、キャップにより金利上昇に対するヘッジを行うことができますが、資金調達コストは、一般的に通常の変動金…

ピアノの修理・再生が新しいビジネスに

大黒柱を抜く作業に掛かれたのは、一四日目のことだった。しかし、残された土壁の安定が悪く、隣の家の方向へ崩れる恐れが出てきた。そのため、大黒柱をヒモで引っ張って手前の敷地に倒そうと考えた。ところが、大黒柱は容易に動かず、重機で掴んでようやく…

三角合併の手法

典型的には、投資ファンドが少額の自己資本で受皿会社を作り、これが外部資金を借り入れて対象会社の株式を買収した後、対象会社の資産・キャッシュフローを取り込んで借入の返済に充てるため、受皿会社と対象会社を一体化させたりします。このステップで「…

看護婦の基本的な仕事

最重症のQさんの家族がベッドの足もとにうずくまっている。ちいさい子はマットの上で寝息をたてている。血圧は上が五〇まで落ちている。三十秒から四十五秒ぐらいの無呼吸を繰り返している。痰の吸引は三十分おき。Bさんは小さな懐中電灯を照らして様子を…

「将棋のコマ」タルト民族

中東にはドルーズのほかにもたくさんのエスニック集団が存在する。アラウィ、ベルベルタルト、バルーチー、シーア、コプト、キリスト教マロン派などが、紛争がらみでマスコミ報道によく現われる。中東の地図をえがくとき、従来のように国単位で国境線を引く…

企業組織がどんどん変わる

この二十年、企業組織は大きく変容した。企業が仕事を進める手順はコンピューターを軸に自動化が進み。人間が受け持ってきた業務を、機械がもっと効率よく行うようになったのである。「いずれ職場から人間が駆逐されてしまう」という、労働者たちが抱いてき…

最初に未来に到達する

未来に一番乗りできなかった企業は、一番乗りした企業に依存せざるを得なくなる。BMWが買収するまで、イギリスの自動車メーカーであるローバーは実質上ホンダに依存していた。ローバーを生きながらえさせたものは、ホンダのエンジニアリングと生産ノウハ…

NATOに非難が集中した

一九九二年四月にはじまったボスニア目ヘルツェゴビナ戦争は、第一次・第二次世界大戦を除いて、ヨーロッパ近代史上最大の犠牲者を生んだといわれている。独立でセルビアから分離させられることになったセルビア人がそれに反対して蜂起し、共生するクロアチ…

地球の気温が一五度に保たれている理由

地球は、太陽系のなかでただ一つ、生命をもつ惑星です。全宇宙でも、地球のほかに、美しい自然がつくりだされ、生物が生きている天体は存在しないのではないでしょうか。このような環境がっくられているのは、地球をおおっている人気のおかけで、地表気温が…

悲劇のクライマックス

光通信は足下からの反乱も起きた。二〇〇〇年五月の連休に光通信の一〇〇%子会社、光通信キャピタル(HTC)でクーデター未遂事件が勃発したのだ。HTCは九九年七月に発足し、第一号ファンドは約三百三十億円を集めた。野村証券から人材を大量にスカウ…

有力販売代理店の光通信離れ

「日本興業銀行をアレンジャーとするコミットメントライン(融資枠)を設定して三月に二百四十五億円を借りたが、四月に全額返済して解消した。住友銀行、東京三菱銀行からの二百四十億円のシンジケートローンも期限前に返済した。このように銀行との関係は…

ただ今、四面楚歌

光通信はとうとう土壇場を迎えた。二〇〇〇年八月二十一日に発表した同年八月期決算の業績の下方修正は惨漕たるものだった。期中に下方修正した百三十億円の営業赤字より、若干、赤字幅は縮小したが、それでも百十六億円の営業赤字である。加えて、三月から…

最高値に近い水準で売り抜ける

「寝かせ」が発覚した重田は携帯電話からの転進を図る。二〇〇〇年一月一日の経営会議で重田が打ち出したのは「デジタルクラブ」への転換だ。「デジタルクラブ」の業務内容は通信衛星(CS)放送の「スカイパーフェクTV」の加入契約を取ることだ。「毎月…

兜町の長老の一言

ネット株が暴落してからは、さすがにマズイと思ったのか、日経にも距離を置いた記事が出るようになった。『日経金融新聞』二〇〇〇年三月二十七日付の「時価総額経営危うさ露呈」の記事がそうだ。ソフトバンクと光通信が進めていた「時価総額経営」を「わず…